箱庭生活

自分の半径3メートル以内のできごと

沖縄のおっちゃん達の話す言葉が、冗談抜きに英会話より難解な件について

世の中には、たくさんの言語が存在する。

日本語はもちろんのこと、世界の公用語である英語や、フランス語、中国語、ロシア語……そして、同じ日本の中にも、方言という言葉が多数存在している。

 

私の地元・北海道札幌市はわりと標準語に近いことで有名だ。とはいえ、一歩北海道を出ると、ごみは投げるものではないし、押ささんないものなんてないし、わやだね!と言っても誰の共感も得られないことに気付く。とりあえず、わや~と言っておけば間が持つなんていう幻想は道外では通用しない。

 

私は沖縄に移り住んでもう5年目になる。5年も住んでいると、メジャーな沖縄の方言や、訛り方や独特の言い回しなんかは大体わかるようになってくる。突然、男性に「トイレ行ってこようね」って言われても、連れションに誘われているわけではないことはすぐにわかる。

 

 

 

だけど、おっちゃん達は手ごわい。

 

あの人たちの喋る言葉はまじで意味がわからない。

 

 

私は現在、とある観光施設で受付業務をしている。仕事柄、よくタクシーの運転手なんかに話し相手になれと言わんばかりに話しかけられることがある。おっちゃん達も空気を読んで、お客さんが少ないころ合いを見計らって意気揚々と受付にやってくる。

 

8割がたのおっちゃんの言葉は、苦労することはあってもまだ理解できる。

だけど、残り2割のおっちゃんはそうはいかない。

 

最初の一言からすでに、意味がわからないのだ。

なんなら韓国や中国人観光客が喋るたどたどしい英語の方が聞きやすいくらいだ。英語は、キーワードさえ聞き取れれば、それを頼りになんとか対応することができる。

 

だが、おっちゃんの話すガチな沖縄の方言は、手掛かりが一切ない。

本当に同じ日本人か?と思わず疑うレベルだ。

 

かつて沖縄で激しい戦争があった時代、沖縄の人の話す言葉があまりにも日本語とかけ離れていたために、米軍のスパイと間違われて日本兵に殺される、なんてことがあったそうな。

悲しいかな、その時の日本兵の気持ちが少しわかってしまう。

それくらい、何もわからない。

 

さて、私がおっちゃんの話を全く理解していないにも関わらず、おっちゃんは話し続ける。

 

たまに、明らかに何かを問いかけられている感じで話を振られることもあるのだが、いかんせん何を答えればいいのかわからないので、ハハハと笑うことしかできない。

「すみません、県外出身で方言わからないんですよ。標準語でお願いできますか?」と言えればいいのだが、そう言う間もなくおっちゃんは次の話を始めてしまう。

ていうか、標準語でお願い!とか実際言いづらい。誰かいい言葉ください。

 

そうこうしているうちに、話したいことをすべて話せたのか、おっちゃんは満足げにタクシーに帰っていく。それを困惑の笑顔で見送る私。

 

言葉が理解できないって、すごく怖い。初めてそう思った。

同じ日本人なのに全然わからないってのが一層恐怖心を煽ってくる。

内地の山に囲まれたどっかの村とかにも、全然聞き取れない方言とかありそうだけど、私はここ沖縄で初めてそれを体験した。

もしかするともしかして、おっちゃんがもしも英語を喋れる人だったら、英語で話した方が理解が早いなんていう謎の現象が起こるなんてこともありうる……?

 

きゃはー!

 

 

 

 

 

追記:

 

沖縄生まれ沖縄育ち、今も沖縄で仕事をしている彼氏さんに聞いてみると、なんと彼氏のお父さんも兄弟とかと話す時はそんな感じになるそうな。息子がわからない言葉で話す父親――なんか知らんけどすげぇ。