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箱庭生活

自分の半径3メートル以内のできごと

田中まりこ現象を知っているか

日常

私は本屋に行くのが好きだ。図書館に行くのも好きだ。だけど、私の大好きなその場所には魔物が潜んでいる。それが、田中まりこ現象である。

田中まりこ現象とは、かつて田中まりこさんという女性が日常的に遭遇していた「ある現象」についての投書が、たまたまラジオで取り上げられたことがことの発端だ。同じような現象に出会っていた多くの人からの反響がものすごかったために有名になった。その現象が公のものとなったキッカケが田中まりこさんだったために、彼女の名前がついた……らしい。 

田中まりこさんも本屋によく行くのだろう。彼女は店に入るなり、読みたい本を探し始める。あっちのコーナーか、いや、こっちのこの本を見ようか……意気揚々と本屋を愉しむ彼女。だが、突然の悲劇が彼女を襲う。

腹痛である。

紛れもない、強烈な便意である。

彼女は突然の便意に慌ててトイレを探す。天井を見渡して、トイレマークを見つけるなり足早にトイレに駆け込む。果たして彼女のお尻とパンツはは無事だったのか。それを知る人は誰もいない。


これが田中まりこ現象である。「本屋に行く→強烈な便意が襲ってくる」これだ。

経験したことがない人にとってはなんだそりゃ状態だろうが、反響が大きかっただけあって、実際に田中まりこ現象を経験したことがある人は多いようだ。私も気付いたときにはその現象の被害者となっていた。本屋に行くと確定でお腹が痛くなる。本屋に入る前に必ず近くのトイレの場所を確認するのが常となるほど、この現象は当たり前に私の前に立ちはだかるのだ。

原因は諸説ある。本に使われている紙やインクの成分が腸に作用しているだとか、本を選ぶという作業が便意につながっているだとか、本屋に行くと無意識に緊張してしまい腹痛が起こるとか。実際のところはよくわかっていない。私はGEOでレンタルDVDを探している時にも同じことが起こるので、選ぶ作業説に一票を投じておこう。

 この話を友人したところ、ただただ爆笑された。どうやら彼女はまりこの被害者ではないらしい。そんな現象があることすら物珍しいのに、その現象に人の名前がついていることにさらにツボったようだった。最終的には、大変だねえ~と同情されて終わった。なんとも呆気ない最後である。

 トイレにたどり着くまでの間、腹痛と戦わなければならないというデメリットはあるものの、考えようによっては女性にとっては嬉しい「便秘しらず」というメリットもついてくる。あれ、今日出ないな……そう思ったら、まりこ被害者はただ本屋に行くだけでいいのだ。毎朝ヨーグルトを食べたり、キシリトールガムを噛んだり、よくわからない便秘解消の薬を飲んだりしなくていいのだ。

 私の友人は確か、便秘持ちだったはずだ。まりこと関わりがなかったために、彼女はおそらく今日も便秘に悩まされていることだろう。なんだろうこの優越感。

そう考えると、まりこと仲良くしておくのも悪くないなぁと思った。